世界中の誰よりも
昨日祐司と一緒に話を聞いてくれた、祐司いわく優等生の拓海君。
隣には同じく艶やかな黒髪を胸のあたりまで伸ばした美人さんが居た。
まだまだ夏の気配が残る日差しには似合わないほど真っ白い肌。
黒目がちな大きくて少し垂れた瞳と目が合う。
あたしの視線を察して、拓海君が美人さんを紹介する。
「相沢多喜。俺の彼女」
「こんにちは」
拓海君の隣で控え目に顔を向けるタキさん。
大人っぽい見た目に反して、無邪気に笑う人。
「昨日祐司と一緒に話聞いてた子だよ。幸っていうんだ」
今度はあたしを多喜さんに紹介する拓海君。
あたしはぺこりと小さくおじぎした。