世界中の誰よりも

そんなことを考えた時、あたしの脳裏に一人の顔が浮かんだ。

祐司。

まだちゃんと話したことすら二度しかないけど。

あたしは気軽に話せたし、祐司は話しやすい空気にしてくれる。

祐司とのつながりは大事にしたいなって、改めて思った。

そしてまた話したい。
何を話すって訳でもないけど、話がしたい。



「今日は拓海君はバイトないんだね」

「あぁ、今日は休み。祐司は入ってるよ」


ふうん。
祐司、今日もバイトなんだ。

そう言えば、祐司は彼女とか居るのかな。


「幸、暇なら遊びに行ってみなよ」


拓海君はなんだか不敵に笑ってそう言った。

あたしはなんだか分からないけど赤面して、そうだねって、曖昧に答えた。
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