世界中の誰よりも
母はまた呆れたみたいにため息をつく。
あたしはそれを無視して二階に上がろうとした。
そしたらまた呼び止められる。
「夕飯がいらないならちゃんと連絡しろ」
不機嫌そうな父がリビングから出てきていた。
「忘れてた」
「用意するお母さんの気持ちを考えろ」
もう、わかったってば。
あたしはもう話す気もなくて、適当に頷いて階段を上がった。
自室のドアをバタンと閉める。
イライラする。
家は空気が薄いんじゃいかなって思う。