世界中の誰よりも
翌日の午後の授業が全て終わると、祐司からメールが入った。
教室まで迎えに来てくれるらしい。
あたしはそわそわとしてしまうのを抑えるために、用もないのにケータイを開けたり閉じたりした。
アヤやマキと軽い会話を交わして、二人は教室を出て行く。
加奈子や愛美は、まるであたしとは他人みたい。
視線も寄越さないまま帰って行く。
誰にも聞かれないようにあたしはため息をついた。
「幸、遅くなって悪い」
廊下側から声をかけられ、振り向くと祐司が居た。
学校で会うのは初めてだ。
学年の違う男の子が迎えに来るなんて、まるで付き合っているみたい。
とっさに頭を振ってその考えを打ち消した。
違う。
祐司はそんなんじゃない。