世界中の誰よりも
あたし達はまたこの間と同じファーストフードのお店に来ていた。
他愛もない話をしながら、一つのポテトを分け合う。
なんだかカップルみたい。
まぁ、祐司はそんなつもりこれっぽっちもないだろうけど。
「それで、今日はどうしたんだ?」
そうだった。
話したいってあたしが言ったんだった。
「別に、何かあった訳じゃないんだけど……」
「けど、何?幸」
祐司が促す。
上手く、言えないかもしれない。
でも祐司なら聞いてくれるって、そんな気がする。
「なんで、祐司君も拓海君も多喜さんも、あたしの名前を良いなんて言うの?」
まず口に出たのはそれだった。