世界中の誰よりも
すると祐司はなんだか楽しそうに笑んだ。
「お前、今日楽しかったか?」
急にそう聞かれて一瞬ぽかんとしたけど、すぐに頷く。
「うん。凄く楽しかった」
「ならそれで良い。それだけで意味はあったよ」
そう言って祐司はカラリと笑った。
あたしにはよく分からなかったけど、祐司が良いなら、良いのかも。
スタスタと歩く祐司を追いかけ、分かれ道で手を振って別れた。
一人で歩く通い慣れた家までの路地。
祐司と居る間は感じなかったけれど、家が近づくにつれ気が重くなる。
あたしはだいぶ重症みたいだ。