世界中の誰よりも
二人ともあたしのこと嫌いなんじゃないの?
本屋でもそう言ってたじゃない。
嫌々そんなことしなくて良いよ。
そういう風に言ってくれてあたしは嬉しかったけど、少し怖かった。
あたしは二人に引かれている腕を見つめ、次第に視界がにじむのを感じた。
「わっ! 幸ってば何泣いてんの!?」
加奈子がビックリしてあたしを振り返る。
「どうしちゃったのぉ!?」
加奈子の声で愛美も気付き、オロオロと言う。
あたしはもう我慢できなくて、ボロボロと涙を溢れさせた。