世界中の誰よりも

「あたし、二人に酷いことしたじゃん」


二人は立ち止まり、少し言葉を考えているようだった。


「あたし、嫌われたって、思って……」


途切れ途切れに話すあたしに、愛美がオロオロしながら声をかける。


「もう良いって、気にしないで?」


優しい愛美の言葉に、あたしは顔を上げた。

だけどその時、加奈子は厳しい表情であたしを見ているのに気がついた。


「ダメだよ。このまま無かったことになんかできない」


加奈子の厳しい言葉に、あたしの目からはまた涙がさらに溢れる。
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