世界中の誰よりも
そっか、そうだね。
傷つけたことよりも、ケジメをつけないあたしを加奈子は許せないんだよね。
あたしは膝に両手を下ろし、ゆっくりと頭を下げた。
「ごめんなさい……。酷いこと言って、ほんとにごめん」
頭を下げたままのあたしの肩に、そっと手が置かれた。
「もういいよ。許す。ね、加奈子?」
ゆっくりと頭を上げると、加奈子が優しく笑った。
「うん、許す」
あたしはもう堪らなくって、小さな子供みたいに声を上げて泣いた。
それを二人はあやすみたいにあたしの肩を抱き、楽しそうに笑ってた。