世界中の誰よりも
その日一日、久しぶりに加奈子と愛美と三人で過ごした。
空いていた時間を一気に埋めるような気持ちで。
まだ少しぎこちないけれど、居心地が悪いなんて思わない。
話をしなくなってからしばらくの間に、愛美に好きな人が出来たことを知った。
そしてあたしは祐司や拓海、多喜と知り合ったことを話した。
「じゃあ最近その祐司って人とよく会ってるんだね」
加奈子が意味ありげな笑みを浮かべる。
「マナが彼と上手くいったら、みんなでデートしようねっ」
「だから、祐司はそんなんじゃないってばー」
愛美がニヤニヤと笑う。
加奈子も、あたしも笑った。