世界中の誰よりも
「祐司君! どうしたの?」
祐司はあたしの頭をゴツンと軽く殴った。
「昨日休んだだろ。メールしても返事ないし、心配したんだぞ」
祐司のメールに気づかなかったわけじゃない。
ただ、祐司の言いつけを破ったことに後ろめたさを感じていた。
それに、祐司は自分に責任を感じてしまうと思ったから。
あたしが悪いのに、祐司に嫌な気持ちになって欲しくなかった。
「ごめん、ちょっと体調崩してたんだ」
「そうか。もう良いのか?」
「うん、大丈夫」
祐司は納得いかない顔をしていたけど、あたしは気づかないフリをした。
ふと隣を見ると、興味津々な表情の愛美と加奈子と目が合った。