世界中の誰よりも

「あ、この人が祐司君だよ」


あたしが祐司を紹介すると、二人は瞳をキラキラとさせた。


「あなたが祐司先輩ですかぁ!」

「幸から先輩の話は聞いてますよ!」


二人の勢いに圧倒され気味な祐司を見て、少し笑えた。


「俺の話って、どんなこと言ってんだよ?」


横目でわざと睨む祐司に、あたしはカラカラと笑う。


「ただの悪口だよ!」


あたしがそう言うと祐司があたしの髪をわしゃわしゃと乱した。

キャーキャー騒ぐあたし達を、加奈子と愛美は微笑ましそうに見ていた。


「仲良しだねぇ」

「そんなことないよ!」


そう言いつつも、あたしは笑顔だ。

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