世界中の誰よりも
加奈子と愛美とお喋りしながらの下校。
居心地悪いなんて一時期は感じたりもしたけど、この時間が戻って来て嬉しい。
それに正直まだあの住宅街を一人で歩くのは怖い。
だから二人の気持ちが本当に有り難いんだ。
「てかさ、祐司先輩にはこないだのこと話してないの?」
くるんと上目遣いで愛美が聞く。
「うん。ちょっと言いづらくてさ」
あの日、早く帰れって言われたのに、あたしはそれを無視した。
「でもさ、話した方が良いよ」