世界中の誰よりも
でも信也先輩はしょっちゅうメールをくれた。
しだいに仲良くなったあたし達は、二人きりで会うようになる。
そして二人で映画に行った帰り、信也先輩から告白を受けた。
いつ思い出してもニヤニヤする。
あの時の信也先輩の目。
赤らむ頬。
低い声と丁寧な言葉。
胸の奥がきゅっとなり、あたしは抱きまくらを抱きしめて転がる。
まだ手を繋いだことしかない。
だけど初めて手を握られた時は、緊張で心臓が口から出そうだった。
信也先輩のゴツゴツした大きな手を思い出す。