世界中の誰よりも

この、当たり前に暖かい家族みたいな、ゆったりとした雰囲気。

まだまだそこにあたしはピッタリとは収まらない。


だけど以前のように毛嫌いする気持ちは徐々に無くなっている。

父と母が織り成す何気ない会話、食卓の風景。

その横で二人の顔を見ながらゆっくり食事を味わうあたし。


あぁ、これが自然なんだなって、そう感じた。


食事を終えて部屋に戻ると、ケータイがチカチカと光りメールの受信を知らせていた。

祐司からだ。

明日の放課後、時間をとってくれるらしい。

あたしは簡単に了解のメールを返しケータイを閉じる。
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