世界中の誰よりも

そしてあたしはそわそわとしたような複雑な気持ちで朝を迎えた。

昨日と同様、加奈子と愛美が迎えに来てくれて、一緒に学校に向かう。

加奈子や愛美の取り留めのない会話に、あたしは半端に参加する。

会話に身の入らないあたしに気づき、加奈子があたしの顔を覗いた。


「なんか変だよ。体調悪い?」


心配そうな瞳にハッとして、慌てて首を振る。


「違うの。ちょっと、心配なことがあって」

「心配なこと?」


今度は愛美があたしの顔を覗き込む。
くりんとカールした睫毛があたしを見上げてきた。


「今日祐司と話すんだ」
< 199 / 264 >

この作品をシェア

pagetop