世界中の誰よりも
そしてあたしはそわそわとしたような複雑な気持ちで朝を迎えた。
昨日と同様、加奈子と愛美が迎えに来てくれて、一緒に学校に向かう。
加奈子や愛美の取り留めのない会話に、あたしは半端に参加する。
会話に身の入らないあたしに気づき、加奈子があたしの顔を覗いた。
「なんか変だよ。体調悪い?」
心配そうな瞳にハッとして、慌てて首を振る。
「違うの。ちょっと、心配なことがあって」
「心配なこと?」
今度は愛美があたしの顔を覗き込む。
くりんとカールした睫毛があたしを見上げてきた。
「今日祐司と話すんだ」