世界中の誰よりも


そろそろカーディガンが欲しい季節だ。

中学で使っていたやつがあるけど、新しいのが欲しいな。

放課後の教室で祐司を待ちながら、ぼんやりと思った。

加奈子と愛美には先に帰って貰った。帰りは祐司と帰るつもりで。


二人が言ったように、祐司はまだあたしの側に居てくれるだろうか。

またあたしと下らない話をして笑ってくれるだろうか。

友達や両親と、これから歩み寄って行かなくてはならないのに、祐司さえも求めるあたし。

そんなあたしに祐司は呆れないだろうか。
< 201 / 264 >

この作品をシェア

pagetop