世界中の誰よりも
そろそろカーディガンが欲しい季節だ。
中学で使っていたやつがあるけど、新しいのが欲しいな。
放課後の教室で祐司を待ちながら、ぼんやりと思った。
加奈子と愛美には先に帰って貰った。帰りは祐司と帰るつもりで。
二人が言ったように、祐司はまだあたしの側に居てくれるだろうか。
またあたしと下らない話をして笑ってくれるだろうか。
友達や両親と、これから歩み寄って行かなくてはならないのに、祐司さえも求めるあたし。
そんなあたしに祐司は呆れないだろうか。