世界中の誰よりも
「祐司はあたしの何なの?」
家まで送ると言ってくれた祐司が隣を歩く。
顔は正面に向けたまま、あたしはぽつりと尋ねた。
あたしにとって祐司は、友達と言うには寄り掛かり過ぎている。
だからと言ってもちろん彼氏でもないし、遠すぎず近すぎず、そんな距離。
キョトンとあたしを見た祐司は、少し考える。
「何だろうなぁ。兄貴とかその辺か」
「兄貴なんか二人も要らないよ」
「なんだ、兄貴居るのか」
「うん。大学に通うために一人暮らししてる」
兄貴のポジションはもう埋まってるのか、とか何とか言いながら祐司はまた考えていた。