世界中の誰よりも
「お礼ってことにしちゃえば。色々助けて貰ったんでしょ?」
確かに、祐司にはとっても感謝しているけれど。
だけど、お揃いなんて。
祐司は喜ばないかもしれない。
悶々と悩んでいると、加奈子と愛美が同時に背中を叩いた。
「考え込まないで、平気な顔して渡しちゃえば良いんだよぅ」
「それ、きっと祐司先輩に似合うよ」
二人の言葉に押され、あたしはベージュとグレーの色違いのマフラーを購入した。
そしてその夜、明日祐司と放課後一緒に帰る約束を取り付けた。
あたしはラッピングが崩れないように、マフラーを鞄に入れた。