世界中の誰よりも
祐司と並んでの登校。
あたし達は周りからどんな風に見えるんだろう。
祐司はあたしの近くに居てくれる。
だけどあたしは、もっと近付きたい。
「よう、拓海。多喜も一緒なのか」
祐司の声にパッと前を見ると、拓海と多喜さんが居た。
朝からしっかりとブローされた黒髪が綺麗。
多喜さんはあたしの視線に気付くと、ふんわりと微笑みをくれた。
あたしもそれに倣ってニコリと笑みを返す。
拓海と多喜さんは、見ているだけで仲の良さが伺える。
なんだか、憧れるなぁ。
こんな二人。