世界中の誰よりも

祐司、大学に行くんだ。

受験するなら、今はもう遊んでいられる時期じゃない。


「そうなんだ」


あたしには何も言う権利はない。

放課後あたしと遊んでくれなくなることも。

祐司が大学に行くことも。

あたしが口を出せることじゃない。


「頑張ってね」


だけど。

祐司との時間が無くなってしまう。

祐司があたしの居ない場所に行ってしまう。


その事実があたしにのしかかり、言いようのない不安に襲われる。


「受験終わったらまたあそんでやるよ」


祐司の笑顔が、今日はひどく苛立った。
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