世界中の誰よりも
翌日あたしはそのことを、加奈子や愛美に相談した。
祐司に対する気持ちは曖昧だから、説明するのは難しい。
だけど二人はあたしの複雑な心情を上手く読み取ってくれたようだった。
「祐司先輩を好きかどうかは置いといて、離れるのが嫌なんだよね、幸は」
放課後の静かな教室で、机に広げたポテトチップスを食べながら加奈子が言う。
加奈子の言う通り、シンプルに考えればそれなのだ。
あたしはただ、祐司に近くに居て欲しい。
それがどんな感情から引き起こされたものかなんて、その後でいい。
「あたし、ワガママなのかな。加奈子や愛美が居てくれるのに、祐司君にも同じように居て欲しいなんて」