世界中の誰よりも
すると塩系のお菓子より甘いお菓子が好きな愛美が、チョコを食べながらニッコリ笑う。
「そんなことないよ。祐司先輩が幸にあげてる嬉しい気持ちは、マナや加奈子じゃあげられないものなんだよ、きっと」
愛美や加奈子からは貰えない気持ち。
祐司とだから、感じられる特別な気持ち。
あたしはトクトクと打つ心臓の音に耳をすまし、その気持ちについて考えてみた。
愛美や加奈子と居る時とは別の、祐司と居る時にあたしが感じる気持ち。
「……そうかもしれない。なんだか分からないけど、祐司はちょっと特別な感じがする」
あたしがそう言うと、愛美と加奈子は満足げに笑った。