世界中の誰よりも

「でも、祐司君は大学に行っちゃうんだよ」


そう。いくらあたしが側に居たいと思っても、祐司は離れて行ってしまう。

ぽそりとそう言うと、愛美はケロッと言い放った。


「追いかければ良いじゃん」


さも当たり前のように言う愛美の瞳に動揺して加奈子に視線を移すと、加奈子もウンウンと頷いていた。


「幸もとりあえず進学なんでしょ? むしろ目標が出来て良いじゃない」

「でも、祐司君は意外と勉強できるんだもん。きっとあたしじゃ入れない所に行っちゃうよ」


加奈子はカラリと笑った。


「私達まだ一年だよ? 必死に勉強すれば無理じゃないよ」


優等生の加奈子はそう言うけど、あたし、大丈夫かな?
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