世界中の誰よりも

男の子と一緒なのに、アイスなんてダメかな。

アイスなんて、女の子同士で食べに行くものだよね。

どうしよう、咄嗟だったからそれしか思い付かなかった。

ぐるぐると考えを巡らせていると、信也先輩はフッと笑った。


「いいよ、アイス食べよ」


そして凄く自然にあたしの手を引いた。

ゴツゴツした男の子の手。

あたしはニヤけないように注意して、時々顔を背けたりしてごまかした。


あたし達はアイスを分け合いながら食べて、本屋さんに行った。

信也先輩はバスケの雑誌を熱心に見ていた。
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