世界中の誰よりも

愛美にそう提案された時は、正直あたしには無理だって思った。

だけど元々あたしはそんなに勉強が出来なかった訳じゃない。

バイトや遊びに明け暮れていたせいで、現時点の成績は最悪だけど。

もしかしたら。
やればできるかもしれないな、あたしでも。

何より、祐司との関係を終わらせないためだと思えば、頑張れる気がした。


そしてあたしは真剣に大学進学を目指し始めた。

まずは学校の授業で基礎を固めることに専念し、冬の定期テストでは全科目で平均以上の成績が取れた。


「今回はなかなか頑張ったみたいだな」


担任からもそう褒められた。
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