世界中の誰よりも

あたしは校舎を出て正門の横で待つことにした。

付き合わせるのは悪いから、加奈子と愛美には先に帰って貰った。


卒業生を正門で待ち伏せって、なんだか告白するみたいだな。

そう思うとなんだかソワソワしてしまって、落ち着かない。

あたしは気を紛らわそうと、さっきの拓海とのやり取りを思い出した。

拓海と多喜さんはお互いを信頼し合っていて、強い絆がある。

距離や環境なんかでは揺るがない、強い絆。

叶うなら。
あたしも祐司との間にそんな絆が欲しいな。

違う環境に居ても、あたしが祐司の中で揺るがない存在になりたい。
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