世界中の誰よりも

祐司が卒業して、あたしは2年生に進級した。

加奈子や愛美とはまた同じクラスになり、アヤやマキとはクラスが離れた。

だけど廊下なんかですれ違うと笑って声をかけてくれる二人を、あたしは好きだと思った。


高校2年の一年間は、本当に充実していた。

バイトも頑張ったし、加奈子や愛美ともよく遊んだ。

もちろん進学という目標のために、授業中はすごく集中した。

特に試験前なんかは燃えていて、加奈子や愛美に「燃え過ぎて、なんか熱い」なんてからかわれる。

その努力は結果にも現れて、返却されたテストを自慢げに親に見せることも増えた。
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