世界中の誰よりも

翌朝、リビングの雰囲気はいつもに増して重かった。

ズンと胸に支える感じ。
息一つするのにも気をつかう。

あたしはこの日も母の用意した朝食を断った。

父はまた納得いかないような顔で見てくるけど、あたしはそれを無視する。

当てつけのように、今日はメイクを少し濃くした。


「学校が終わったら真っ直ぐ帰れ。わかったな」


父は夕べ言い渡した外出禁止令を忘れてはいなかったようだ。

納得のいっていないあたしは何も答えずに家を出た。
< 33 / 264 >

この作品をシェア

pagetop