世界中の誰よりも
翌朝、リビングの雰囲気はいつもに増して重かった。
ズンと胸に支える感じ。
息一つするのにも気をつかう。
あたしはこの日も母の用意した朝食を断った。
父はまた納得いかないような顔で見てくるけど、あたしはそれを無視する。
当てつけのように、今日はメイクを少し濃くした。
「学校が終わったら真っ直ぐ帰れ。わかったな」
父は夕べ言い渡した外出禁止令を忘れてはいなかったようだ。
納得のいっていないあたしは何も答えずに家を出た。