世界中の誰よりも

あたしのムカムカとした気持ちとは裏腹に、外は爽やかに晴れていた。

あたしの家だけ、この世界とは違った空気が充満してるんじゃないかな。
そんな思いさえ起こさせる、青い空だ。


学校に着くと教室に入るなり、加奈子と愛美が迫ってくる。


「あ、おはよ」


何となしにそう言うと、二人はニヤついて顔を寄せる。


「昨日どうだったのよ?」

「昨日?」

「佐々木先輩とのデート!」


そうだ。
昨日のこと、二人にも報告しなくちゃ。

だけどちょっと恥ずかしい。
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