世界中の誰よりも

あたしがなかなか話し出せずにいると、痺れを切らした愛美が顔を覗きこんだ。


｢もしや、チューでもしたぁ？｣


ずばり言い当てられたあたしの顔はパッと赤らむ。


｢その反応は当たりだね｣

｢やぁん、幸ってば可愛い〜｣


二人は真っ赤になって動揺するあたしをからかう。


｢もう、やめてよ｣


あんまりあたしが恥ずかしがるもんだから、二人とも仕方なくからかうのをやめた。

だけど口元はニヤニヤしている。


｢良かったねー、幸｣

｢ドキドキした？｣

｢当たり前だよ！心臓壊れそうだった｣


あたしの言葉に二人はまた笑う。