世界中の誰よりも
あたしは重たいため息をつくと、家に帰ることを憂鬱に思った。
外出禁止なんてありえないよ。
絶対守らないんだから。
父の言いなりになんて、絶対ならない。
「加奈子、愛美、今日遊ぼう」
そう言うと二人は少しばかり戸惑った。
「外出禁止なんでしょ?」
「もう家出ちゃってるんだからこっちのものだよ」
あたしはピースサインを二人に向ける。
ためらったみたいだけど、二人はあたしに付き合うって言ってくれた。