世界中の誰よりも
「ね、あたしバイト始めようと思うんだ」
教室の机の上にアルバイト情報紙を広げて、加奈子と愛美に相談した。
「いいじゃん、何のバイトするの?」
加奈子が聞く。
加奈子は喫茶店でウェイトレスのバイトを最近始めたばかり。
だけどあたし達や彼氏との時間を取るために、週に1、2回しか入っていない。
「飲食店って大変?」
「大変だよ、でも楽しいよ」
そんなあたしと加奈子のやり取りに割り込む愛美。
「幸までバイト始めちゃったら、マナ遊ぶ人居なくなっちゃうよー」
そう言って愛美は拗ねた顔をした。