世界中の誰よりも
あたしは愛美のくりんとカールした愛らしいまつげを見る。
同い年だけど、愛美はなんだか妹みたいで可愛い。
「大丈夫だよ。そんなにがっつり働くつもりはないから」
あたしがそう言って笑いかけると、加奈子も続けた。
「愛美もバイトすれば?」
「マナは夏休みに短期バイト探すつもりなのぉ」
愛美は働いているお母さんのために家事を手伝っている。
だからバイトまでする余裕はないんだろう。
「幸はなんでバイト始めようと思ったの?」
加奈子にそう聞かれて、あたしは少しためらった。