世界中の誰よりも

なんてことのない朝。
一時間目は数学だ。

あぁ、面倒くさい。
あたし数学嫌いなんだよね。

そんな風にいたって気楽に構えているあたしのもとに、手渡された一枚のプリント。

先日のテストの返却だった。

名前の隣に赤いペンで書かれた数字に、あたしは驚愕した。


「も〜最悪。幸、どうだった?」


加奈子があたしの答案を覗き込む。


「幸……これはまずいね」


クールな加奈子も苦笑する。
そんなあたしの点数は。

18点。

裏も確認したけど、確かに、間違いなく18点。
< 55 / 264 >

この作品をシェア

pagetop