世界中の誰よりも

やれやれといった様子の母。

そこに口を挟んでくるのが父だ。


「その分早く起きれば良いだろ。お母さんがせっかく作ってくれたんだぞ」


別に頼んでないし。

あたしは父を控えめに睨む。

サラリーマンの父は、スーツ姿で朝刊を読みながら朝食を食べていた。


「だいたい、高校生が学校に化粧なんかしていくんじゃない」

「みんなしてるもん」

「みんなって誰だ。言ってみろ」


親はすぐそうやって揚げ足を取るんだ。

もうウンザリ。
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