世界中の誰よりも
信也先輩の部屋には、スチールパイプのベッドと小さなテーブルがあった。
勉強机は使っていないようで、物が溢れている。
コンポと小さなテレビ。
テレビにはゲーム機が繋がっていて、ソフトがそばに重ねられている。
背の低い本棚の中身はほとんどが漫画。
男の子の部屋って感じがした。
「珍しいものでもあった?」
キョロキョロしているあたしに、信也先輩が声をかける。
「なんか、あたしの部屋とは違うなあって」
信也先輩は鞄をベッドの脇に下ろし、ベッドに腰掛けた。
「幸の部屋はどんななの?」
あたしはちょこんとテーブルのそばに座った。