世界中の誰よりも
しばらくはなんてことのないお喋りが続いた。
信也先輩はあたしの話をちゃんと聞いてくれて、あたしを楽しませる話をしてくれた。
少しずつ日が暮れ始め、窓から入る光が紫がかり出した頃。
信也先輩がゆっくりと手を伸ばして、あたしの手をとった。
「隣に来なよ」
言い方があまりりにさりげなくて、優しくて。
ドキドキしたけど、あたしも何でもない風にベッドに移動した。
マットに身体が沈む。
信也先輩はあたしに身体を寄せて、腰に手を回した。
「先輩……」
恥ずかしくて身をよじろうとした時、信也先輩はキスをしてきた。