世界中の誰よりも

男の子と付き合うってことは、こういう行為が待ってるってことだと知っていた。

周りの友達の中にも経験した子がちらほら居る。

加奈子からも、話を聞いたことがあるし。


だけどあたしにはまだまだ先の事だと思っていたんだ。

キスだって最近ようやく経験したばかりなのに。


いつかは信也先輩とって、思わなかった訳じゃないけれど。

こんなに怖いと思わなかった。

優しい笑顔と優しい声で、導かれることを想像していた。


今目の前に居る先輩は、あたしの知ってる先輩じゃない。

鋭い眼差しに、射抜かれてしまいそう。
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