世界中の誰よりも
「馬鹿者! お母さんに謝りなさい!」
「お父さん、良いですから……」
「良くない!」
顔を赤くさせて怒鳴る父。母がなだめようとするけど、全く効果はない。
「お母さんがどんな気持ちで作ったか、考えなさい!」
あたしは涙を堪えた目でキッと睨むと、拳を握りしめて言い返す。
「知らないよ! お父さん達だってあたしの気持ちなんか考えないくせに!」
言い放つと、感情が高ぶって涙が溢れそうになったから、あたしは顔を背けた。
バン!とまたテーブルを叩いて、あたしはキッチンを出た。