世界中の誰よりも

あたしが一人ふて腐れてると、アヤが思い出したように言う。


「そうだ。明日また康介さんの友達も呼んで遊ぶんだ。幸もきなよ」


あたしは緩く笑って頷いた。とりあえず明日の予定はこれで埋まった。

何でも良いんだ。
誰でも良い。

誰かと、下らない、中身のない時間を過ごしていたいだけ。


あたしは今日の放課後には加奈子と愛美を誘った。
凄く久しぶりな感じがして、なんだか妙にそわそわする。

あんなに落ち着ける気のおけない友達だったのに、今のあたしは必死に話題を探している。
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