世界中の誰よりも

あたしを真ん中に、右に愛美、左に加奈子が並んで歩く。

両側のピースに合わなくて無理矢理はめたパズルみたいに、あたしはしっくりしない。


「駅前のクレープ屋さん行こうよ、久しぶりに」


愛美が小動物のような目を向けて提案した。

加奈子は同意し、あたしも頷いた。


それぞれにクレープを購入し、店に設けてあるテラス席に座る。

そっちちょうだい、とか言い合いながらクレープを食べていると、加奈子が口を開いた。


「最近アヤやマキと仲良いね」


あたしは曖昧に頷いて、少し視線を外した。
< 94 / 264 >

この作品をシェア

pagetop