世界中の誰よりも
愛美が口の端にクリームをつけたまま続ける。
「最近あんまりマナ達に構ってくれないからぁ、寂しいよっ」
冗談ぽく言ってたけど、なんだか瞳が本当に悲しそうで、あたしの胸はちくりと痛んだ。
「遊び回ってんでしょ。こないだの……家出もあるし。どうしちゃったの?」
加奈子の強い瞳はあまりにも真っすぐで、正面から合わせられない。
どうしたかって言われても、分からない。答えをあたし自身も知らない。
黙り込むあたしに注がれる二人の視線が痛い。