【完結】泣き虫姫のご主人様





 突然塞がれた口。






 好きな人とする愛のあるキス。



 それが澪の夢であり、憧れだった。




 そんな澪の夢を、稚尋は意図も簡単に打ち砕いた。







 最低だ。






「……っ……ん……」




 先ほど同様、稚尋は乱暴に澪の唇を奪った。







「……はぁ」


 それほど長い時間ではなかっただろう。


 けれど澪には何倍も長い時間に感じられた。


 互いの唇が離れると、冷たい空気が直に感じられた。


 澪は流れる涙を拭い、稚尋を睨みつける。




 しかし、稚尋にそんな威嚇は意味を成さない。
















「覚えとけよ……姫」




 稚尋は眉を下げて、笑った。













「最っ低……!」







「はっ。今に俺の虜にさせてやるぜ?」






 稚尋は自信満々の表情で、笑っていた。




「馬鹿っ! だいッ嫌い!」






 出会ってわずか一日。




 意地悪美少年にファーストキスを奪われました。











★秘密の告白


【END】

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