一匹狼と狼少女
冬軒の足音が遠ざかるとアタシは不良の背中にもたれかかる。
それでも体格差か、揺れもしなかった。
「煙草ねー。いい加減、やったって認めたらどうデスかぁー。」
「ふざけんな。」
「じゃぁ、DNA鑑定でもしてもらえば?」
アタシは不良の前に出た。
「てゆーか、なんでアタシなの?」
一番の疑問を投げた。
真っ直ぐに聞くと、人って嘘をつけない。
アタシみたいでなければ。
「…勘?」
「は?」
考えた抜いた答えがそれか。