一匹狼と狼少女
「だって、変でしょう?図書準備室で、普通あぁいう話する?それに、アタシ達に聞かせてるみたいだったじゃない。」
言うだけ言うと、雪村はスルリと俺の後ろに隠れた。
「…あ。」
その目撃者、と言われていた2年E組の男子二人。
あっさりと捕まった。
雪村はひょこっと顔を出すと、二人に聞く。
「煙草吸ったのって、君らだよね。」
疑問符をつけずに言う。
自信があるのか、どうなのかはわからない。
二人は黙っている。
「ねぇ…これ、DNA鑑定とかすれば誰が吸ったかなんてすぐにわかるんだよ。」
優しい笑みを浮かべる雪村。
俺の方がごくりと生唾を飲み込んだ。
「…俺です…。」
片方の男子が認めたのだった。