一匹狼と狼少女
向日葵
「会長、知ってますか。」
アタシは、夏休みの体育館使用の件を片付けて一息ついた所だった。
二年の冬軒大輔(フユノキダイスケ)が口を開いたのだ。
「どいつもこいつもね。何で主語がないのよ。」
睨む。
「あぁ、すいません。ちょっとした怪談ですよ。」
書記の冬軒は、手を休めない。
「知ってますよ。それ、夏の夜のプールの話でしょう?」
一年の会計の松本百合子(マツモトユリコ)が言う。
「ここでも人魚姫か。」
ドアが開いた。
副会長、三年の西原広(ニシハラヒロ)が来る。
生徒会はこの4人で形成されている。
「どの学年でも噂されてるんですね。」
松本は言う。