一匹狼と狼少女

「広は誰から聞いた?」

アタシは聞く。

「クラス中。みんなが言ってる。」

広は冬軒の隣に座る。

「本当だとは、夢にも思いませんけどね。」

松本は言う。

「人魚なんているんなら会ってみたいです。」

パチンとホチキスで止めた冬軒は、書類をアタシの方にまわす。

「人魚ねぇ…。」

アタシは書類に目を通して、また仕事に取りかかった。






< 27 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop