一匹狼と狼少女
裏庭で座っている龍也を見つけた。
丁度いい。
アタシは龍也の背中に寄りかかった。
「お前かよ。」
すぐにわかった様子。
「んー眠い。」
背中の骨がボキボキと鳴る。
「お前、放課後は生徒会じゃねーの?」
「サボり。」
「会長のくせに。」
アタシはひじで龍也の背中をド就いた。
木陰だから、時々吹く風が気持ちいい。
水音が聞こえた。
「え?プールって誰か使ってんの?」
聞く。
「知らね。会長の方がよく知ってるはずだろ?」
「あ゙ーったく、どいつもこいつも会長、会長って!蒼って呼びなさいよ!」
アタシは怒鳴ると龍也はキョトンとした顔でこっちを見た。
「蒼ってやっぱり表裏激しいよな。」
「会長になればそんな風にもなる。」
龍也は立ち上がると、アタシに手を差し延べてきた。
「何?」