一匹狼と狼少女
「プール、見にいくんだろ?」
金髪が反射した。
眩しいなぁ…。
「水泳部ですよ。近々大会があるから。」
近くで声がする。
「松本、何の用?」
「生徒会の仕事がたくさん残ってます。」
私は龍也の手を借りて、立ち上がった。
「じゃあ、バイバイ。龍也。」
龍也に手を振る。
「ん。」
「と松本。」
「はい。」
松本は手を振り返した。
「じゃありません!会長っ、夏休み前までにやり終えないといけない仕事がたくさん…っ。」
私はフェンスによじ登ると、校舎の屋根に着地。
「会長ーっ。」
松本の怒鳴り声を背に、私は逃げた。